百年の計

凄いですよね! 山を守るのって 百年という単位で計画されているんですって。

始めは1へクタールに3000本の木を植えるそうです。
1ヘクタールというと一万平方メートルだから・・・・・・・う~~ん、
100m四方に3000本、一辺に54本だから・・・・大体 2mに一本植えられているんですね。結構密集している感じでしょうか。
年輪が平均的に育つようそれを徐々に間引いて 残った木がすくすく育つようにしているんですね。

その「間引いた木」は 昔は使われなかったようですが、今は良い技術もあり 「集成材」と言うものになります。私達が使っているのもこれです。アルミレールシェルフヒノキがそれです。








そんな間引き材とはいえ 20~30年も手をかけて育てられているんですよ,びっくりでしょう?
これを読んでくださっている一部の方よリも 年上かもしれませんね。


百年ものの木は 枝を付けたまま切られ そのまましばらく森に置いておかれます。
そして水分が抜けて軽くなってから(約3ヶ月掛かります)山から下ろすのだそうです。
大きなものなので 山に道を造って下ろさなければなりません。
その工場では その道を造るのに 防火という観点も忘れません。
その他の雑木だけじゃなくて シダやコケの事も考えて 道を造るんだそうです。


レールシェルフに木の棚板を・・・と思って色々探していた時に 四万十のこの工場に出会いました。
ただ単に 自分達の木や山を守るというだけではなくて 地球と言う単位でものを考えているこの工場の姿勢に感動しました。

例えば、木を伐採する時に使うチェーンソーですが その潤滑油を植物性のものに変えています。
分解に時間が掛からないようにと言う心使いからです。

また、集成材の接着剤を乾かすのに ボイラーの熱を使うのですが、この工場では 自社で出た木屑や木片を燃やしてそのボイラーの熱を使って それらを乾かしているのです。
自社で 循環系を作り出しています。すこしでも 石油を使わない努力をしているのですね。

最近では ECOやLOHASなど 当たり前に言われていますが、この工場のこの取り組みは 平成元年から始められています。もう20年以上も取り組んでいるですよ!
sの工場の方はおっしゃいます。
「環境を守るというのは キッチリした計画が必要で、大変なお金と労力が掛かるものなんです」


自社の利益だけじゃなくて 地球規模で仕事をしているこの工場の心意気に感動し、私はこの板を使わせてもらおうと決意しました。

その感動をお伝えしたくて これらの文章を書いています。
もう少し続きます。

土の日

随分昔の事ですが、テレビで「世界のびっくりニュース」のような番組をしていました。

ある人が とても素敵なチェストを買いました。
海外のもので、とても高価なものです。その番組では100万円とか言っていたように思います。
けれど,何年かたったある時 それが大変な事になっているのに気づくのです。
虫が出て チェストの裏側はボロボロになっていたのです。
木の中に虫がいたのに気づかずチェストが作られ 日本に来て それが出て来たというような内容でした。

「またまた センセーショナルな取り上げ方をして・・・・」と その番組に批判的な気持ちでいました。



「ヒノキの話 その1」の続きに戻ります。
実は そのTさんも 同じ事をおっしゃったのです。
ある時 結構大きな家具屋さんでチェストを買った。
それが 7~8年もしてから 虫が出て来た・・・とおっしゃるのです。

「土の日を知らなかったんでしょうね」

Tさんのお話では 暦上の「土の日」に 木を切ってはいけないという言い伝えがあるそうです。
その日には 卵を産むために虫が木に入ってしまっているのだそうです。

集成材の場合 高温で乾燥させるので 虫が死んでしまいそうなものなのに 卵は生きているんでしょうね。
何年もしてから出てくるなんて!!
そりゃあ,その虫だって 子孫を残すのに必死だという事なのでしょう。

残念ながら 日本でもそんな「土の日」の言い伝えが伝わらないでしまったところもあるそうです。
きっと 昔の日本人が 途方も無く長い時間をかけて経験で学んだだろう事をそれほどの事と知らずに伝えきれなかったところもあるんでしょうね。
私達は いつか 自分達の科学の力などが自然界にも大きな力を持っていると信じて 先人達が経験で学んだ大切な知恵を おろそかにして来ているような気がします。

Tさんは言います。
「今は 機械でものを作ったり 薬で虫を殺したりするけれど、
それでも 自然が我々の手に収まらない事はあるんです」